M1STってどんなヘッドホンなんだろう…
こんにちは!
先日、SonyのMDR-M1STという業務用モニターヘッドホンを入手しました。
最新のモニターヘッドホンということで、癖のないフラットな周波数特性なのかなと思っていましたが、実際に聴いてみたところ、わりと低音が強めに感じました。
中高音は癖がない感じですが、低音だけちょっと強めに音が出ている気がします。弦楽器で言えば、コントラバス〜チェロの音域がよく聴こえます。
少し気になったので、どういう特性なんだろうと軽く調べてみました。
※MDR-M1STを入手した直後に音の感想を書きました↓
MDR-M1STは重低音までしっかり聴こえる
まず、以前AKGのK702というヘッドホンで試してみた、何Hzくらいから低音が聴こえてくるか、というテストを同条件で行ってみました。
すると、以下の違いを感じました。
K702での重低音の聴こえ方
K702は、50Hz台の重低音は音が弱く、60Hz台からでないとはっきりと音が知覚できませんでした。
おそらく、開放型のヘッドホンなので、重低音のエネルギーが外に逃げていってしまっているのだろうと思います。
MDR-M1STでの重低音の聴こえ方
MDR-M1STは、すごいことに40Hzくらいから地鳴りのような低音が聴こえ始め、50Hz台になるとはっきりと音を知覚できるようになりました。
以上の比較から、K702と比較して、MDR-M1STのほうが重低音がよく聴こえるヘッドホンであることがわかりました。
なお、60Hz以下の重低音は、音楽で音符として使われることはあまりないと思います。
しかし、そういった重低音はホールの空気感を聴き取るうえで重要なのではないかと私は考えています。空間に漂い続けるベースとなる音といいますか。体で感じるホールのうなりといいますか。
また、空調などの低音ノイズを聞き取るうえでも重要な帯域ではないかと思います。
MDR-M1STはそういった音が感じられるヘッドホンだと思いました。
MDR-M1STはドンシャリ(強ドン弱シャリ)?
次いで、K702とMDR-M1STの2機種でスイープ音を聴き比べてみました。
1kHzあたりで同じ音量に聴こえるようにボリュームを調整して、低音から高音まで聴いてみました。
すると、以下の違いが感じられました。
K702は低音は弱いが中高音はフラット
K702は、重低音こそほとんど聴こえないものの、低音から徐々に音量が上がっていき、1kHzを超えてからは、高音(10kHzくらい)まで比較的フラットに聴こえました。
ところどころ、音量の隆起や凹みは感じますが、極端な変化は感じませんでした。
MDR-M1STは音の高低によって音量が変わる
MDR-M1STは、重低音から轟々と聴こえ、300Hzあたりで最大音量となります。
その後、2kHzを超えたあたりからなぜか急下降し、音量が低い状態が続きます。
そして、6kHzあたりで再び盛り返し、再び音量が高い状態に戻るような音量変化が感じられました。
聴いた感じのイメージを図にすると以下のようになります。
MDR-M1STは、聴感上はいわゆる「ドンシャリ」型ですね。
ソニーの最近のヘッドホンによく聴かれる音作りだと思います。
加えて言うと、低音のドンが強めで、高音のシャリは弱め。言ってみれば「強ドン弱シャリ」だと思いました。
まとめ
以上の結果をまとめると以下となります。
MDR-M1STは、
- 40Hz台の重低音からしっかり再生される
- 2〜6kHzあたりが少し落ち込んだドンシャリ(強ドン弱シャリ)
なヘッドホンだと感じました。
もちろん、感じ方は人それぞれですし、環境によっても大きく変化すると思います。あくまで一つの参考にしていただければと思います。
若干クセはありますが、信頼できるヘッドホンとして使い続けています。
環境:
MacBook Air(M1)ヘッドホン端子直刺し→アンバランスケーブル→MDR-M1ST or K702