【レビュー】SMSL「A100」とFX-AUDIO 「D302J++」を聴き比べた感想

SMSL「A100」を聴いた感想 オーディオ

廉価で高性能な小型デジタルアンプとして人気が高い、SMSL社の「A100」とFX-AUDIO社の「D302J++」を聴き比べてみましたので感想を書きます。

結論としては、SMSL社の「A100」のほうが音質は好ましく、低音から高音までバランスよく自然な音色で聴かせてくれたのに対し、FX-AUDIO社の「D302J++」は解像度が高いものの音のバランスが少々悪いように感じられました。

一方、使い勝手や安定性の面ではFX-AUDIO社の「D302J++」に軍配が上がりました。

どちらも同じ小型デジタルアンプですが、サウンドキャラクターがかなり違うので驚きました。

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SMSL「A100」を追加購入した理由

昨年、仕事部屋用にDALI社の「OBERON 1」という小型スピーカーを購入しました。

なかなかすごいスピーカーで、机の上に(ぎりぎり)置ける小型サイズながら、低音から高音まで整った、実にクオリティの高いサウンドを奏でてくれます。

音がいい分、アンプやプレイヤーといった上流の機器の良し悪しが素直に出る、ごまかしの効かないスピーカーです。

購入から半年ほど、FX-AUDIO社の「D302J++」という小型デジタルアンプと接続して音楽を聴いてきたのですが、音の解像度は高いものの、やや低音が誇張気味、かつ、ボーカルが引っ込み気味で、楽器の音色がおかしいと感じる瞬間もあったことから、別のアンプでも聴いてみたいと思うようになりました。

SMSL「A100」は、FX-AUDIO「D302J++」とほぼ同価格帯の1万円強と廉価でありながら、音質に対するネット評価が高かったため、実際に購入して試してみることにしました。

SMSL「A100」の特徴

入力部

SMSL「A100」の入力は、RCA、USB、Bluetoothの3系統あります。

私はmacからUSBで接続する使い方がメインです。

USB接続は専用ドライバは不要で、つなぐだけでつながる、いわゆる「USB Audio」です。

SMSL「A100」では、USBやBluetoothで入力されたデジタル信号は、フルデジタル処理で増幅されるのではなく、一度DAC部(チップ不明)でデジタル信号からアナログ信号に変換された後、アンプICの「MA12070」にアナログ入力されて増幅される仕様のようです。

言ってみれば、外部DACを使ってRCA端子からアナログ信号を入力する場合と、動作原理は同じですね。

となると、内蔵されたDAC部の性能や個性が気になるところですが、DAC部の詳細は資料が公開されておらず、わかりませんでした。

macに接続してAudio MIDI設定アプリで確認すると、サンプリングレート48kHz、ビット深度16bitで固定されていたため、やや旧世代のDACである可能性が高いかなと思います。

Bluetooth接続は、Bluetoothのバージョンは5.0、コーデックはSBCのみに対応しているようです。

AAC対応していないとすると、iPhoneユーザーとしては残念なところです。

出力部

出力は左右スピーカーのほか、スーパーウーファー向けの出力が2系統あります。

私はスーパーウーファーは持っていないため、左右スピーカーのみを接続する使い方となります。

ボリュームは古典的なアナログボリュームのようで、音量を小音量に絞り込むと、ギャングエラー(左右のボリューム差)が感じられました。

少しボリュームを上げればまったく気にならないレベルですが、最近デジタルボリュームに慣れていたので懐かしい感覚があります。

SMSL「A100」を聴いた感想

さて、肝心の音を聴いた感想です。

SMSL「A100」の良かったところ
  • 音のバランスや音色が自然。「D302J++」ではやや不自然に聞こえた音のバランスや音色が改善され、低音から高音までバランスよく、自然な音色で聞こえるようになりました。ボリュームを上げてもうるさくならず、迫力のある音を楽しめます。
  • 音にアナログの香りがする。入力から増幅までフルデジタル処理される「D302J++」と比較すると、音の解像度は劣るものの、耳慣れた音で、懐かしいと感じる音です。アナログ回路での再生を前提にマスタリングされた古い音源も安心して聴くことができます。
  • 電源内蔵でコンパクト。「D302J++」は外付けの電源アダプタが必要で、ややスペースを取ってしまいましたが、「A100」は電源内蔵のため、スマートに配線できます。
SMSL「A100」のいまいちだったところ
  • USB入力で音が途切れることがある。再生中に音が数秒間途切れたり、途切れて再生できなくなることが時々あります。「D302J++」ではこのようなことはありませんでした。
  • Bluetooth入力で再生開始直後の1秒くらい音が切れる。macからA100にBluetooth接続し、YouTubeを視聴してみたところ、新しい動画に切り替えるたびに冒頭1秒ほど音が切れるので、これだとBluetooth接続では使えないなとなりました。

全体として、音質は自分好みの音になった一方、使い勝手や安定性は悪くなりました。

1万円前後とオーディオ機器としては廉価な部類に入る機器ですので、いい意味でも悪い意味でも特徴があるのは承知のうえです。

むしろ、ベースとなる品質水準が高いデジタル時代でありながら、これだけ差が出たことに驚きとともに面白さを感じました。

まとめ

SMSL「A100」とFX-AUDIO「D302J++」を比較すると、音質面のバランスの良さや音色の自然さではSMSL「A100」のほうが優れているものの、使い勝手や安定性は「D302J++」のほうが勝っています。

どちらを重視するかによって、選ぶ機種が変わってきそうです。

私はどちらかといえば音質重視のため、SMSL「A100」をメインで使い込んでみようと思います!

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